売上高人件費率という指標を用いて白物家電業界を分析したいと思います。
売上高人件費率とは
売上高人件費率= 売上高 ➗ 人件費 のことです。
人件費がどれくらいかかるビジネスか、それは適切かなどを図る指標となります。
詳細な説明は以下の記事を参考にしてください。
白物家電業界
白物家電
白物家電とは
家事や一般日常生活などに用いられる家庭用電気機器の総称・通称。具体的には、冷蔵庫・洗濯機・乾燥機・炊飯器・エアコン・電子レンジなどを指す。これらが普及し始めた頃の機器の色に白が多かったことからこの名で呼ばれるようになった。
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つまり一般的な生活家電のことです。
白物家電業界
白物家電業界は大手と中堅以下に分かれます。

2種類の中堅企業
中堅企業は2種類に分類できます。
「ファブレス企業」と「ジェネリック家電」企業です。
ファブレス企業
ファブレスは製品製造のための自社工場を持たないことで、設備負担の軽減や柔軟な経営ができます。
ユニクロや任天堂などファブレス経営を取り入れている企業は多くあります。
ジェネリック家電
こちらのジェネリック家電は造語ですが「高品質だが安い」家電のことを指します。
正式には、ジェネリック家電推進委員会が認める、国内大手家電メーカー8社以外の、国内優良家電メーカーの製造するジャパンクオリティ(日本標準品質)を有する家電製品を製品のことです。
「ジェネリック家電の四天王」も存在するようです。
「ジェネリック家電の四天王」
- 山善
- ドウシシャ
- ツインバード
- ドンキホーテ
企業紹介
バミューダ

高級トースターなどで有名なバルミューダはファブレス企業です。
以下の図のように製品の企画販売に集中しています。
ヤーマン
美容家電、化粧品を扱います。
バルミューダと同様にファブレス企業です。
象印
マービンで有名な企業ですが調理家電を中心に扱っています。
売上高人件費率を深堀り
売上高人件費をもう少し掘り下げるとさらに要素分けできます。

ここで販売数量を除いて考えると、以下のようにマトリクスに表すことができ

このように分類できます。

実際に各社の売上高人件費率を調べると以下のようになります。
製造している分だけ労務費(商品の原価にかかる人件費)がかかりその分売上高人件費率が高まります。

それぞれの企業の補足
3社の原価率、利益率を見ていみましょう。

バルミューダは製品を仕入れていることや広告費が少ないために原価率が少し高いですね。
ヤーマンは化粧品を扱う影響で原価率が低くなります。
象印は製造業としては一般的な原価率です。

ファブレス企業であり高価格帯の商品が多いバルミューダ、ヤーマンの利益率が高いのは当然として、象印も高い利益率ですね。象印もブランド力があるので必ずしも安売りしなくて良いということかもしれません。
製造業の利益率が4%程度といわれるなかでは優秀な数字だと思います。
(製造業実態調査)