ファッションECサイトを運営する「ZOZO」と「エニグモ」について2社の決算書、特に損益計算書を分析・比較していきたいと思います。
どちらもECプラットフォーム企業ですが利益率などが結構異なるのが気になったので調べてみました。
企業紹介
まずは2社がどんな事業をしているか紹介します。
まずはZOZOです。

次にエニグモです。

問題
ここで問題です。ZOZOとエニグモの2社のPL(損益計算書)を比較してものです。ZOZOはどちらでしょうか?

解説


正解はB社がZOZOでした。
ではここからこの違いの分析・解説をしていきたいと思います。
まず同じファッションECを扱う2社ですが、規模は大きく異なります。

ビジネスモデル
2社のビジネスモデルを分析します。
ZOZOは受託販売のビジネスモデルです。
受託販売は他社の商品を代わりに販売し、手数料を売上とするビジネスモデルです。在庫を抱えなくよいというメリットがあります。


一方エニグモは少し異なるビジネスモデルになります。
ECのプラットフォームに特化したビジネスモデルです。メルカリのようなビジネスモデルをイメージしてもらえればよいと思います。
つまり出品者と購入者の両方から手数料をとるビジネスモデルです。

ここまでで2社のビジネスモデルの違いが分かったところで、ECの売上について掘り下げながら戦略の違いをみていきます。
売上=単価×テイクレート×取扱件数で構成されます。
多売戦略をとるZOZOと高単価に限定しているエニグモの違いが読み取れます。

※単価、テイクレートは有価証券報告と決算説明会資料から類推。
販管費
ここから販管費の内訳をみながら利益率の違いを見ていきます。
上のビジネスモデル比較でも出てきたように、配送も行うZOZOと行わないエニグモという違いがあります。
この配送費の部分が利益率の違いに出てきていると考えられます。
また、高単価商品を扱い、成長段階であるエニグモは広告宣伝費にも力を入れています。

ここで2社の原価率の違いが気になった方もいると思います。
エニグモの有価証券報告書の中に原価の中身が書いてありますが、大部分を占める支払手数料の中身がわかりませんでした。

まとめ
